【実例あり】魅力を伝える文章の順番とは(検証結果)|ゴールデンサークル理論

“伝え方”を工夫するだけで、

ちゃんと伝わっていなかった部分が改善され、

結果的に魅力が引き出される場合があります。


過不足なく魅力を伝えるためには、

「伝える順番」というものがあるんですね。


職人氣質の方などにありがちですが、

サービス内容や性能の話からはじめてしまい、

「だから何?」というような感じで


いまいち伝わらないという経験をされた方も

多いのではないでしょうか。


関わらせていただいた事例について、

効果が確認できたので、その内容を

ご紹介しつつ、解説したいと思います。



伝える順番とは

物事の本質を説明するための情報には、

「Why」「How」「What」という

3つの構成要素があります。


人に何らかの情報を伝え、

行動を促したいときには、

「Why」から始めることが重要です。


これをゴールデンサークル理論といい、

サイモン・シネック氏が提唱したものです。

▲ サイモン・シネック|TED 『優れたリーダーはどうやって行動を促すか』


商品やサービスに関する一般的な説明は、

「What」→「How」→「Why」の順番に

なりがちです。


What こんなに素晴らしい商品を作りました。

How こんな機能がてんこ盛りです。

Why みんなに喜ばれたい一心で作りました。


…というような感じでしょうか。


そのタイミングでその商品のことを

ほしいと思っている人に対しては、

有効かもしれません。


ただ、

印象に残るか、関心を持てるかというと

難しい印象があります。


今回、運営のサポートとして

関わらせていただいた痩身エステサロン

ローズアマービレさんも、


サロンの魅力を伝える紹介文の部分において

似たような状況でした。


こちらが変更前の内容です。

痩身×骨盤調整で姿勢から美しいボディへ結果にこだわるという想いから最先端美容のLEDレインボーシャワー、セルゼロを導入し、ハンドでは届かない身体の深部まで届くので痩身、美肌効果もアップ!また、愛情溢れる手による、心のふれ逢いと癒しによって健康で美しい体を取り戻します。納得の結果出しと最高のおもてなしを心がけております。至福のひとときをお過ごしくださいませ。


これが悪いという話ではありません。


ただ、だいぶ詳しい方でないと

凄みがわからない印象ではあります。


では、この文章に対して

前述のゴールデンサークル理論を

用いて考えるとどうなるでしょうか。



「なぜ」から伝える重要性

ゴールデンサークル理論とは、

「Why」「How」「What」という

3つの構成要素に対して、


「Why」から始めることが重要と

説いたものです。

有名な例として、

Appleコンピュータの事例があります。


Why 我々のすることはすべて、

世界を変えるという信念で行なっています。

異なる考え方に価値があると信じています。


How 私たちが世界を変える手段は、

美しくデザインされ、簡単に使え、

親しみやすい製品です。


What こうして素晴らしいコンピュータが

できあがりました。ひとついかがですか?


 ……どうでしょうか。


コンピュータを買いたいと思っていなくても、

関心を寄せてしまう流れだと思います。


結局、人は、何を(What)ではなく、

なぜ(Why)に対して心が動かされる


……ということですね。


これらを踏まえ、

ローズアマービレさんのサロン紹介文章を

以下のように書き換えました。


もっと若々しく健康で美しいはずなのに、身体のことを知らず美しくなれないなんてもったいない! エステでお肌が綺麗になっても肩こりやむくみがありませんか? 本来の美しさを取り戻すには、身体の表面への施術だけではなく、骨格を整える必要があります。当サロンでは、ハンド施術に加えセルゼロを導入し外側からのアプローチのほか、カイロプラティックにより内側からもケアします。


……どうでしょうか。


文字数制限の兼ね合いで、

明確な区切りがわかりづらくなっていますが、


言い方を変えたことによって、

関心の強さが変わったのではないでしょうか。


実際、サロン情報のPV数を

変更前と変更後で調べたところ、


同一エリアの他サロン平均値に対して、
(ホットペッパービューティー内)


変更前 79.7%(=他サロンの方が高い)
(2019年11月~2020年1月の平均値)


変更後 120.2%(=自サロンの方が高い)
(2020年4月~2020年6月の平均値)


…という結果が得られました。

※ 変更したのは、2020年2月。


確実に文章の変更のみに対する

結果かというと、

そうではない部分もありますが、


ホットペッパービューティー内で

できることが限られた作業となりますので、

文章の貢献度は高いと思われます。


伝わる文章の順番について

参考になれば嬉しく思います。


なお、

ご自身で文章を構築していくのが

難しいということであれば、

サポート業務も請け負っております。


ご関心を持たれましたら、

お気軽にお問い合わせください。

石井 玲|Ishii Ryo

皆さまの引き立て役としての編集者を目指しています。
東京都世田谷区出身。武蔵工業大学工学部機械システム工学科首席卒業。双子座のAB型。
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ファブレスメーカーの生産管理部長を経て、開店休業状態の家業(甲陽書房)の立て直しへ。
生産管理と編集者の共通点である「本来の魅力、品質を引き出し、人とチカラを合わせながら、モノやサービスをつくる」活動をしています。

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