古人の跡を求めず、古人の求めしところを求めよ

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目の前にいるお客さまに

いかに喜んでもらえるか…というのが、

商売の基本だと思います。


…が。


わたしの立ち位置(引き立て役)の場合は、

必ずしも、そうとはならない場合があります。


それは、目の前の相手に媚びたり、

へつらったりしない……という

意味合いではありません。


印刷物やウェブ制作などのご依頼主様に

喜んでいただくことを至上主義とすると、

その先にいるお客さまが見えなくなります。


名刺でもチラシでもウェブサイトでも、

そういうものを作ろうとしている時点で、


その先に、ご依頼主様のお客さま

いらっしゃいますよね。


喜んでいただくのは、ご依頼主様より先に

そのお客さまの方だとわたしは思うのです。


そのお客さまに喜んでいただくことが

ご依頼主様に喜んでいただくことでもあります。


今回のタイトルにした、

古人の跡を求めず、古人の求めしところを求めよ

……は、松尾芭蕉の言葉です。


真意に関する言及はここではしないですが、


偉大な先人そのものを追い求めるのではなく

その人が目指していたことを求めなさい


……という解釈をわたしはしています。


印刷物やウェブ制作のご依頼をいただいて、

もちろんご要望は伺うのですが、


それが末端のお客さまにとって

最善かどうかはまた別の話。


ご依頼主様の顔色を伺いながら

好みに合わせすぎて、

結局、結果が出ないものになったら

何のために作ったのかわかりません。


好みに合わせないとか

要望を聞かないというのではありません。


ご要望を伺ったうえで、

それが効果的かどうか疑問を持った場合は、

一方的に聞き入れるのではなくて、


こちらも信念を持って

取り入れた場合のリスクを提示したり、

代替案を提示したりできるという関係性が

好ましいと考えています。


ご要望にすべてお応えすることが

正解ではなくて、共に最善のものを

作り上げていくという立ち位置が

大切だと思っています。

石井 玲|Ishii Ryo

皆さまの引き立て役としての編集者を目指しています。
東京都世田谷区出身。武蔵工業大学工学部機械システム工学科首席卒業。双子座のAB型。
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ファブレスメーカーの生産管理部長を経て、開店休業状態の家業(甲陽書房)の立て直しへ。
生産管理と編集者の共通点である「本来の魅力、品質を引き出し、人とチカラを合わせながら、モノやサービスをつくる」活動をしています。

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