使用目的・用途を考えることの大切さ

商売をするからには、やっぱりお客さまの役に立ちたいものです。そのために「使う立場」「買う立場」になって考えることが重要ということは、容易に察しがつきます。


「いつ」「どこで」「どんな場面で」「どんな生活で」その商品・サービスを使うのかという観点が大切なのですが、具体的にどういうことなのか…というのは、わかっているようでわからない部分でもあります。


ここでイメージしやすい例があったのでご紹介します。


「12色の色鉛筆」をバラバラに販売するというシチュエーションがあったとします。どのような品揃えにしたら、お客さまに喜んでいただけるのか、自分が仕入れ担当になったつもりで考えてみると良いかもしれません。


「12色の色鉛筆」は、12種類の単品があると考えがちです。なので、品揃えをする場合、最初は12色それぞれ均等な本数で発注するのが良いように思えます。でも、使用目的、用途を考えると、その品揃えは最善とはいえないことに氣づきます。


12色の色鉛筆の中で「黒」と「赤」は使用用途がほぼ特定されています。黒や赤の代わりに他の色を使う…ということは、あまりないように思えます。そうなると、使用頻度がこれらの色が他の色より高い可能性が出てきます。使用頻度が高いということは、消費も早いということになりますよね。


それを意識すると、品揃えも変わってきます。どういうことかというと、売れやすい「黒」と「赤」を意識し、他の色にチカラを注ぐ必要性が低いとわかると、均等に揃えるより「黒」と「赤」を多くする方が良いということがわかります。


均等に揃えた時と比べ、「黒」と「赤」以外の色を置く予定のスペースに売れやすい「黒」と「赤」を置くことができるので、売上が増える可能性があります。


使用目的や用途を考えることによって、売れ行きが違う可能性があり、それはつまりお客さまの役に立てるかどうかの違いが出てくるということですね。氣をつけたいところです。

石井 玲|Ishii Ryo

皆さまの引き立て役としての編集者を目指しています。
東京都世田谷区出身。武蔵工業大学工学部機械システム工学科首席卒業。双子座のAB型。
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ファブレスメーカーの生産管理部長を経て、開店休業状態の家業(甲陽書房)の立て直しへ。
生産管理と編集者の共通点である「本来の魅力、品質を引き出し、人とチカラを合わせながら、モノやサービスをつくる」活動をしています。

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