決断できるかどうか。

知識が増えていくと、いかに自分が無知であるかを思い知らされます。無知であることを認識すると、さらに知識を深めたくなる衝動にかられたり、行動に移しづらくなったりすることもあります。


…とはいえ、やはり、決断できるかどうかは、知っているかどうかで決まります。


例えば、商売の話でいうと、個性や好みが分散化されてきた時代だからこそ、多様化したり、多品種少量生産をしなければならないと“感覚的に”考えてしまいます。でも、それは自分のお客さまの好みを知らないだけなのかもしれません。


確かに、同じ商品(例えばスーツ)で、19,800円のもの(Aとする)と200,000円のもの(Bとする)が一緒に置いてあったとしても、同じ人が同時にAとBを買うようには思いづらいです。それは、AまたはBを買い求める人の生活様式、シチュエーションが異なるからだと思います。


冷静に考えると、当たり前といえば当たり前ですが、商売する側からすると、この「使う立場」「買う立場」から寄り添うような観点をうっかり見落としてしまうこともあります。


ちなみに、このような観点を「TPOS(Time、Place、Ocation、Style)」というそうです。要するに、「いつ」「どこで」「どんな場面で」「どんな生活で」その商品・サービスを使うのか…ということです。この観点を知っていると、先ほどのAとBを同時に売るということはなくなるように思えます。


知識があると、行動も根拠をもって進められるので決断も早いし、博打的な要素がなくなってくるので、結果的に行動に対する評価もできるようになります。それが科学的にものごとを進めるということに繋がると私は思います。

石井 玲|Ishii Ryo

皆さまの引き立て役としての編集者を目指しています。
東京都世田谷区出身。武蔵工業大学工学部機械システム工学科首席卒業。双子座のAB型。
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ファブレスメーカーの生産管理部長を経て、開店休業状態の家業(甲陽書房)の立て直しへ。
生産管理と編集者の共通点である「本来の魅力、品質を引き出し、人とチカラを合わせながら、モノやサービスをつくる」活動をしています。

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